本サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

【速水もこみちさん】食べる・旅する・料理する「物語をつくるように。」【食のつどい#2】

速水もこみちさん_アイキャッチ食のつどい

食べる楽しみ、料理する楽しみ。宅食も、ミールキットも食材宅配も、そのひとつ。

「おいしい」を仕事にする人々にインタビューする特別企画です。

今回のゲストは俳優・速水もこみちさん。美味しいだけでなく見た目にも美しい料理を作る「かっこいい料理男子」の代表格です。キッチンカーで全国各地、そして海外に出かけ、出会った食材を現地で料理する人気番組、ABCテレビ『頂!キッチン Season3』の最終回直前に「食の窓口」編集部が突撃取材!

グルメの仕事をはじめた経緯、速水さんを夢中にする料理の醍醐味。そして…ご自宅では何を食べている???

速水もこみちさんの『頂!キッチン』で忘れられない出来事

ーー 『頂!キッチン』は韓国、台湾、シンガポール、フィリピン、インドネシア、タイなどアジアを中心とした海外でも放送される反響となりました。

Season1からありがたいことに海外でも放送されて、今回は台湾に行くことができました。もともとスタート当初から日本全国をキッチンカーで回りたい。そして世界中の面白い食材をその産地で扱いたいという思いがありました。それはスタッフさんとも話していたことだったんです。

ーー 今回の番組の大きな特徴は料理が「旅」とセットになっていることですね。

キッチンカーはぜひやってみたいテーマでした。でもどうしても厨房スペースが車内に限られてしまうのが悩みだったんです。別の場所で作り置きをしておくとか、現地で焼く・揚げるくらいのことしかできないのではすこし物足りないですよね。そこでキッチンを車から出して広げて調理するというフォーマットにして、思う存分料理を楽しめるようにしました。

頂キッチン画像_001
©ABCテレビ 

ーー 番組で忘れられない出来事は。

やっぱり産地を直接訪れるということ。景色を楽しみ、その土地の空気を感じながら生産者の方々の思いを聞くことですね。各地に取材すると食べ物を育てて、収穫することは本当に大変だとわかります。

僕は毎日のようにスーパーに行きますが、そこで売られている食材の向こうにある人々の仕事を見せていただけたことのひとつひとつが記憶に残っています。そのお返しとして料理をして生産者さんにお返しするところまでの交流を、番組を見ている方々に届けられたことも嬉しかったです。

ーー この連載で取材させていただいたホンジャマカの石塚英彦さんは、印象に残るロケとして富山の「寒ブリ漁」をあげていました。漁船に乗って漁を手伝い、漁師さんと港でとれたてのブリを食べるという体験は「味が良い」というよりも「エネルギーを感じる」という意味で衝撃的だったそうです。

旅をすると、その瞬間でしか感じられないことがあるんですよね。Season1の初回は千葉の金目鯛でした。それから21回。

ーー 行先を考えるなかで、ネタに困ることはありませんでしたか?

まったくないです(笑)。まだ出会っていない食材はやまほどあります。それに、正直どこにでも行きたいんですよ。和歌山の「じゃばら」のようなめずらしい食材もあれば、牛肉のような王道の食材にも奥深いストーリーがある。たまねぎもにんじんも一種類じゃない、違う美味しさがある。産地に行くからこそ毎回新しい発見があって、そこから食材とレシピの組み合わせが考えられるわけです。いい素材をどう料理するかを考えていくのも醍醐味です。

頂キッチン画像_006
©ABCテレビ 

ーー 速水さんは、特に「料理をつくること」への本気度がものすごく高い方としても知られます。料理のポリシーは。

言い方が難しいけど……「物語を考えるように作る」ということでしょうか。「頂!キッチン」では旅する1日を振り返って一皿を仕上げる。ただこの料理を作りたい、というだけではなく、なぜこの料理になったのかが料理で表現されるべきだ、という思いがあります。料理を通してその土地で過ごした時間をまるごと届けられたらいいなと。

ーー 画作りも非常に凝っていて、ロードムービーを見るような体験になっています。

そう言っていただけると嬉しいですね。そこはスタッフの方とも話し合ってこだわっている部分です。

頂キッチン画像_013
©ABCテレビ 

ーー 台湾編はいかがでしたか。

台湾はもともとプライベートでも訪れるほど好きな国ですが、今回のロケ先ははじめて行く「宜蘭(イーラン)」という土地でした。台北から車で1時間半、年間200日は雨が降るという台湾の水の故郷です。「三星葱(サンセイネギ)」という台湾でもナンバーワンと言われるネギが特産です。市場にも活気があり、そこには人々の生活の匂いがあり、土地柄、人柄も感じられました。それが食に凝縮されているんですよね。食を通して新しい発見や更なる魅力が伝えられたと思います。

最初は「前向きじゃなかった」グルメの仕事を続けてきた理由

ーー グルメの仕事をはじめたころのことを振り返っていただけますでしょうか。速水さんを一躍有名にした『MOCO’Sキッチン』(日本テレビ『ZIP!』)は2011年開始です。

もう12年前のことなんですね。実は、それ以前にも番組で料理を披露したり、人にふるまう機会もすこしはあったんですよ。でも当時はあまり前向きじゃなかった。

ーー なぜでしょうか?

料理は「自分だけの楽しみ」だったからですね。僕は俳優ですし、バラエティの料理番組でうまくしゃべれるというタイプではなかった。料理だけに集中できる環境でもない。何より本当に料理が好きだから……自分が持っているとっておきのレシピをテレビで見せることに正直抵抗がありました。

そのひとつの転機になったのは2010年に料理本(『速水もこみちが作る50のレシピ きみと食べたら、きっと美味しい。』マガジンハウス)を出版したことですね。

ーー かなり本格的な料理本でした。

もこみちさんインタビュー_2

自分の料理の価値観のようなものを表現した本を出したいと思って集中して作りました。半分仕事・半分仕事じゃないという感じです。それをきっかけに、徐々に番組にも向かっていったんです。

『MOCO’Sキッチン』は台本なし・ほぼアドリブという構成でなかなか苦労もしましたが、テレビを通しても美味しさが伝わる方法を考えるようにしました。だから味だけじゃなく色彩が大事じゃないか。盛り付けや器にも凝るべき。そうした試行錯誤が今につながっています。

ーー テレビの仕事を通して、いまでいう「映える」料理に進化していったのですね。『MOCO’Sキッチン』は2019年まで続く名企画になり、その後はYoutube(『速水もこみち/Mocomichi Hayami』)でいまも料理を披露しています。俳優として活動しながら、なぜ「グルメ」がこんなにも長く続く仕事になったのでしょうか。

まずは料理に強い興味を持っているということ。続けたいし、続けると決めているところがあります。そして僕の考えを理解してくれるスタッフさんや共演者さんに恵まれたこと。そのおかげで仕事の輪が商品やキッチンツールにも広がりました。

「食べること」はすごいですよ。俳優は人を感動させる。それも素晴らしいことですが、食はもっともっと広い。誰にでも話題がつながっていきます。「頂!キッチン」にはさまざまな産地の方々から「うちの産地に来てください!」とコメントを寄せていただけます。番組を見て「この土地の食べ物を食べてみよう」と思い、実際に訪れる人が一人でも増えてくれたらと思います。ゴールがない。そこがとても良いんですよね。

子供のころから変わらない料理への探求心

頂キッチン画像_006
©ABCテレビ 

ーー 料理はもともとお好きだったのでしょうか?

小学生のころから家で料理をしていました。カルボナーラを作ろうとして生クリームとパスタを一緒に茹でて大失敗、なんてことがありましたね(笑)。今のようにのめりこんだのは学生のころ。僕は小さいころから趣味が多くて、スニーカーやアメコミのフィギュアあつめが大好き。趣味にお金を使ってしまうから冷蔵庫の余り物でなんとか美味しいものを作れないかと考えはじめたのが最初です。

だから料理は自分のため。誰かに習ったこともないし、スマホでレシピがすぐに検索できる時代じゃなかったから、失敗ばかり。でももともと「作業」が好きなんですよね。試行錯誤は苦にならないという性格だったから、料理にもハマったのかな。

ほとんど何もわからない状態が悔しくて続けていくうちになんとなく「リズム」みたいなものがわかってきた。

ーー 料理のリズムですか。

そうですね。調理も片付けも含めてリズムをつかむ感覚ができてから楽しくなってきたのを覚えています。味や盛り付けの追及はそれから。

頂キッチン画像_021
©ABCテレビ 

ーー 速水さんは「料理をする姿がかっこいい」という男性のモデルのようです。もともと料理する男性にはどんなイメージを持っていましたか。

いわゆる「イケメンが料理を作る」という番組は僕より前にもあったと思います。たとえばSMAPさんがつくりだしたものだと思うんです。でも僕はそれともちょっと違っていて、仕事にしたくてはじめたことでもないし、料理を一種のアート作品みたいにとらえるような気持ちがあった。

覚えているのは『料理の鉄人』。番組の構成とはいえ、厳しい審査員を「おいしゅうございます」って言わせるかっこよさ。料理で人を感動させるのは凄く幸せな仕事なんだろうなと思っていましたね。

だから僕の料理は、自宅では作りにくいと言われることもあります。お肉をシンプルに炒めるのも美味しいし、誰でも作れるような親切な料理だと思います。でも僕はその先に行きたいと思ってしまう。

頂キッチン画像_018
©ABCテレビ 

ーー いわゆる料理家とも違い、どんな文化の料理も取り入れますね。

この素晴らしい食材でこんな料理ができるんですよ、世界にはこんな料理があるんだよ、と伝えること。それが食材を作る人へのリスペクトだし、自分が見てきたものをアレンジしたいという気持ちが強い。

ーー 年齢と食べることについてはいかがでしょうか。20代のころに料理の仕事をはじめ、いまは39歳。これからも料理を届けていくうえで変わっていくことは。

ふだん自宅でつくる料理でも、からだにあわせて料理は変わります。焼肉は夜は食べないようになったかな……(笑)。でも基本は変わらないですね。もっといろんな料理を知りたい。今の子供は「ポルチーニのパスタ」を知っていたりするでしょう? 僕が子供の頃とは考えられないくらい多くの料理が身の回りにあります。それがうらやましくてね(笑)。自分も負けられないぞと……。

ーー すごい探求心ですね(笑)。速水さんが子供のころのご馳走は覚えていますか?

食べることが好きだからなんでもごちそうでしたけど……(笑)。ぜんぜん知らない料理を食べるのが本当に楽しみでした。

そう思うと、いまの仕事でも同じことを続けているのかもしれませんね。

速水もこみち

頂キッチン画像_017
©ABCテレビ 

1984年8月10日生まれ。東京都出身。B型。2002年俳優デビュー。ドラマ「ごくせん」(日本テレビ系)をはじめ、「緊急取調室」(テレビ朝日系)、「結婚できないにはワケがある。」(ABCテレビ)などの作品に出演。朝の情報番組内の料理コーナー「MOCO’sキッチン」が大人気に。メニュー監修、レシピ本の出版など、活躍の場を広げる。

YouTube:速水もこみち Mocomichi Hayami
Instagram:
mocomichi_hayami

ABCテレビ『速水もこみちの食材探求ロードムービー「頂!キッチン Season3」』

12月28日(木) 午前10:25~
12月29日(金) 午前10:25~(台湾編)
TVerABEMAにて見逃し配信中


タイトルとURLをコピーしました