この記事は、
という記事で紹介した、からあげ屋を志す人の為の『からあげ屋を始める9ステップ』のSTEP2 からあげ屋の開業計画&運営計画 をお伝えするページです。
もくじ
計画の立案
からあげ屋の開業は、まあ頑張れば誰だってできます。
でも、開業だけがあなたの目的ではないですよね。
開業したからには儲けて、続けていく必要がありますよね。
その為には計画というものが必要です。
で、ここで必要になるのが事業計画というものになります。
お金を借りたりする場合はちゃんとしたものが必須になりますが、
まずはこれだけは考えてという、最小限の簡単なものを考えます。
- 目的(何のためにやるか)
- ヒト(お客様・従業員)
- モノ(商材・唐揚げ)
- カネ(資金・売値)
こんな4つくらいな感じで良いかと思います。
先ほども言いましたけど、
ちゃんとしたものは世の中にいっぱいフォーマットがあるので、
それに則って書けばいいですけど、まず最低限がわかっていれば、
ちゃんとしたものはこれの肉付けしたものになりますから、
まずはこの4つを考えていきましょう。
計画1 目的(何のためにやるか)
ルールというか、これはやっておいた方がいいのですが、
この手の計画とかって、
ちゃんと自分の頭の中を文字化する、見える化が必ず必要になります。
なので、必ずメモを用意してください。もちろんスマホのでも手書きでもなんでもいいです。
では、質問をします。
「あなたはからあげ屋を始める理由は何ですか?」
これをまずメモります。
で、その下にあなたの答えを書いてください。
できればここで一旦スクロールをやめて、書いてくださいね。
書けましたでしょうか。
で、最初に陥りがちなワナをご紹介すると、
ここでの回答で
「自分が儲かる為」
という答えを書きがちです。
もちろん間違いではありません。
でも、正しくもありません。
よく考えてください。
自分が儲かる為の手段なんて、いくらでもあるわけですよ。
別にからあげ屋じゃなくてもいいんですよ。
餃子屋でも道路工事屋でも、
巷の楽して儲ける系のものでも、
なんでもいいじゃないですか。
つまり、からあげ屋をやる目的にはなっていないってことなんです。
それを踏まえて、もう一度聞きますね。
「なぜからあげ屋じゃなければならないんですか?」
今はそこまで強い想いがないよって思うかもしれませんけど、
計画を進めていくうちに、今ここで無理矢理にでも書いたことが、
これからのあなたを助けるものになったり、
別の形ででも、未来のあなたの大切なものになりますので、
ぜひ、頑張って書いてみてください。
長文でも構いません。
箇条書きでも構いません。
とにかくからあげ屋じゃなきゃいけない理由を書き出してみるんです。
ちなみに余談ですが、これはからあげ屋に限らず、
今自分がやっている事業や習い事、結婚生活なんかにも応用が効きます。
なぜ 妻/夫 じゃなきゃダメなのか?って(笑)
ぜひやってみてください。
色々見ていないものが見えたりしますよ。
で、
じゃなきゃいけない理由を書いた後、
長文だったり箇条書きなものを、
Twitterの文字数制限「140文字」以内にまとめていってください。
少しずつ削りに削って、端的に伝えられる最大文字数が140文字と言うわけです。
計画2 ヒト(お客様・従業員)
商売をするにあたり、絶対なければならないのが相手です。
つまりお客様ですよね。
ちなみに、客商売をしている人でお客様のことを「客」って呼んでいるヒトで、
成功している人を見たことがありません。
調子こいてそんなことを言ってたら、
巡り巡ってその調子こきっぷりが返って来ますのでやめた方がいいですよ。
話戻しますね。
商売に必須なヒトはお客様であるってことです。
では、どんなお客様の為にお店を作りたいですか?
もっと言うと、
「どんな人にお客様になってもらいたいですか?」
これも是非メモって書いてみて下さい。
このお客様が全ての軸になってきますので、目的の次にヒトを考えています。
「主婦!」とか「サラリーマン!」とか、そんな大雑把なジャンルで構いませんよ。
よくあるマーケティング手法で言うところの「ターゲティング」と言うやつですね。
ざっくりどんなお客様なのかをイメージしています。
では次の質問ですけど、さっきと同じようにまた極端な質問です^^
「このお客様と同じような人以外には売らない場合、
どんな人にお客様になってもらいたいですか?」
もう、選んだらそのお客様にしか売れないんです。
そんな前提で、あなたが売りたいお客様を想像して欲しいんです。
「主婦!」とか「サラリーマン!」とか、
さっきの感じでもいいですよ。
でも、そのジャンルの人以外には、一切売ってはいけないんです。
その売り上げは捨てるんです。没収です。
そのジャンルの人にのみって言うのがポイントなんです。
で今回はさらにもう一段掘り下げます。
「その人は性別は何で何歳で職業は何でどこに住んでて年収はいくらで結婚はしていて子供はいるのかなんて名前の人ですか?」
ここまで来ると完全に妄想の産物となります。
これはペルソナっていう分析の一つで、
ターゲットを定める際に使います。
名前、年齢、性別、職業、立場、年収、子供、家族構成、、、
徹底的に特定の誰かを作ってみます
とはいえこれだけやると、
自分たちに都合良いターゲットになりがちで、
ニーズ無視した人を作り上げちゃうこともあったりしますので、
実際はブラッシュアップが必要で、
通常は、Yahoo知恵袋などからターゲットとしている人が、
何に悩んでいるのかと言う【お悩み分析】をしてから
【ペルソナ分析】をやる必要があるのと、
実際に買ってくれたお客様をベースに作り直す必要があるんですけど、
まあ、まずは足掛かりが必要なので、
とりあえずのペルソナを作ると言うのをお勧めします。
で、まずその人の為のお店作りということを進める
「その人」の為と言うのがポイントです。
計画3 モノ(商材・唐揚げ)
商材である唐揚げはキモもいいところですね。
もちろん、最低限のラインとして 唐揚げが美味しい
それを高めていくことで、より美味しくなっていきます。
で、結果としてブランド化していくわけです。
というのが、常識ですよね。
でも、本当にこれで商材としての唐揚げになるのでしょうか?
いずれにしても美味しい唐揚げは必須ですので、美味しい唐揚げを手に入れる必要があります。
ということで、美味しい唐揚げを商材とするための手法は下記です。
- 自分で研究して作る
- 美味しい唐揚げのノウハウを買ってくる
最近はネットでも色々情報が出てたりするので、研究する材料とか発想とかはいっぱいありますよね。
唐揚げ好きなら、ある程度は研究するのはアリだと思いますし、トコトン研究していくのも、すごくアリだと思います^^
ただ、商売を軌道に乗せやすくするためには、スピードがかなり大事になってきますので、レシピあるならそれ使っちゃって進めるのもいいかな?と思います。
軌道修正は随時できますからね。
その辺りを考えると、唐揚げのフランチャイズなんかは、スピードを考えるとメリットがありますよね。
検討をしても良いと思います。
今度、唐揚げのフランチャイズ一覧も、タイミング見て作りたいと思います。
それらを踏まえた上で、他とは違う美味しさを出してみてください。
できればウリになるといいです。
素材や製法など、秘伝のスパイスとか圧力鍋で揚げるとか^^
俗にいう差別化というやつですね。
少なくともその唐揚げが出来上がるまでの物語は必要ですね。
ぜひ、そんなことを意識してみてください。
計画4 カネ(資金・売値)
最後にお金の問題ですね。
大体ここが心配だし、後回しにしたくなるところです。
逆にここを越えた人だけが夢を叶える準備ができる。
単純に用意すべきお金を考えてみましょう。
イメージするお店に寄って上下すると思うので、自分なりの計算をしてみてください。
取り急ぎ、ざっくり目安を出してみますね。
店舗取得費用
項目 | 詳細 | 費用の目安(相場) |
保証金・敷金 | 契約時支払。差し引き退去時返還。 | 10ヶ月分(相場) およそ賃料6~12ヶ月分が多い |
礼金 | 契約時支払/返還なし | 賃料0~2ヶ月分 |
仲介手数料 | 不動産業者手数料 | 賃料1ヶ月分(相場) |
前払い家賃 | 契約時に契約月と翌月家賃支払 | 最大で賃料2ヶ月分 |
造作譲渡料 | 居抜きの場合のみ | 状態によりさまざま |
店舗造作費用
項目 | 詳細 | 費用の目安 |
内外装費用 | 内外装工事関連費用 | 坪単価20〜50万円 |
厨房機器費用 | 厨房機器関連費用 | 60~200万円 |
看板施工費用 | 看板設置費用 | 20万円〜 |
食器・家具費用 | 食器棚・テーブル・椅子・レジ台・食器類などにかかる費用 | 30万円~ |
募集費用 | 従業員募集費 | 8万円 |
レジ費用 | POS導入費 | 10万円(相場) |
その他費用 | パソコン等雑費 | 10万円~ |
運転資金 | 軌道に乗るまでの予備費 | 賃料の10ヶ月分 |
こんな感じです。
というわけで、これだけ言われてもわかりづらい、イメージしづらいと思いますので、もうちょっとわかりやすく考えてみましょう。
シミュレーションというか例というかでイメージしてみましょう。
かかる費用のシミュレーション
広さ | 7坪 |
家賃 | 10万円 |
席数 | なし(テイクアウト) |
場所 | 東京都内 |
こんなお店を作ってみるとすると、どうなるでしょうか。
費用積算例
保証金・敷金 | 10万円×10=100万円 |
礼金(賃料の1ヶ月分とする) | 10万円×1=10万円 |
仲介手数料 | 10万円×1=10万円 |
前払い分の家賃 | 10万円×2=20万円 |
造作譲渡費 | 0円(居抜きではないため不要) |
内外装費用(坪単価30万円とする) | 30万円×7坪=210万円 |
看板施工費用 | 20万円 |
厨房機器費用 | 70万円 |
10万円 | |
募集費用 | 8万円 |
レジ費用 | 10万円 |
その他費用 | 10万円 |
運転資金 | 10万円×10=100万円 |
合計 | 578万円 |
初期費用としてこれくらいかかるんですね。
飲食店を最初からやろうとすると、これくらいはキチンと考えておかなければなりません。
初期はわかりました。
じゃあ、ランニング費用はどれくらいなのでしょうか?
ランニング費用の目安
項目 | 費用の目安 |
家賃 | 売上の約10% |
水道光熱費 | 売上の約5~8% |
人件費 | 売上の約25~30% |
材料費 | 売上の約30% |
通信費・消耗品費 | 売上の約5% |
広告費 | 売上の約3% |
一般的にはこんなところかと思います。
基本的な目安として捉えておいてください。
これに当てはめて考えてみると、
広さ | 7坪 |
家賃 | 10万円 |
月売上 | 100万円 |
実際はこれだと大して儲からないので、
これを超えるためにやることになるのですが、
当てはめるとこうです。
家賃 | 10万円 |
水道光熱費 | 6万円 |
人件費 | 2人×15万円=30万円 |
材料費 | 30万円 |
通信費・消耗品費 | 5万円 |
広告費 | 3万円 |
合計 | 84万円 |
粗利益 | 16万円 |
最初は自分が頑張るしかないので、
人は1人のサポートつけるくらいからスタートですよね。
となると、ここから15万削れるので、16万→31万が月の儲けとなります。
正直これだとダメです。
家賃10万円のところで200万円は出さないとですよね。
でも、まずは何もやっていない前提ですから目安がないとですよね。
このシミュレーションを越えるのが一歩目と捉えて、
走る必要があるということです。
で、売上を揚げて利益を確保する為には値決めが重要になってきます。
販売価格は経営者が一番頭を捻るところです。
この決定次第で、黒字にも赤字にもなるのですから、それはすぐには決められないですよ。
初心者は安くすれば売れると思っていますけど、全然そんなことはないんです。
むしろ、安くすることで潰れるリスクが高くなります。
薄利多売のビジネスはある程度大きな資本がないと勝負できませんので、小さなからあげ屋さんがコンビニやファミレスと価格勝負したって爆死するだけですよ。
そうじゃなくて、差別化をしっかりして、価格をできるだけ高くできるように努力して、それでも買いたいと思ってくれるファンを作っていくのがからあげ屋さんの醍醐味、真骨頂です。
その為にも、目的、ヒト、モノを掘り下げていって、ストーリーを通して、想いを伝えて、美味しさと物語を伝えていくことで、ファンを作っていくというわけです。