こんな日が来るとは、夢にも思いませんでした。
今日は日本唐揚協会 篠塚啓三 財務局長を浜松へお連れする予定で、東京駅10時に集合。
美味しいうなぎの骨の唐揚げである、ウナボーンを堪能するつもりでいましたが、思いがけないことが起こりました。
局長はハイセンスでハイクオリティでハイガジェッターな方なので、もちろん電車に乗るのはアップルヲッチ。
EXアプリはなぜかあまり使っていないのか、新規予約ができない状態。
時間は割と余裕あるけど、まあ素直に切符買うか。
ということで、切符購入。
アップルヲッチで東京駅構内に入っているので、乗車券は買わず特急券のみ。
で、東海道新幹線の長い乗り口を越えると、そこは雪国ではなく、後ろでゲートに阻まれ警戒音を鳴り響かせる局長。
スゴスゴと後ろに下がり当惑の表情で駅員さんへ何かを伝えると、そのままスゴスゴと券売機に並びます。
やすひさは改札の中から様子を伺っています。
行き交う人々は、期待に満ちた笑顔や、闘志あふれる決意の表情で、東海道新幹線の長い改札口を越えて行きます。
券売機の列がやっと局長の番になり、券売機に向き合う局長。
しきりにタッチパネルを手早く叩いています。
やすひさは彼の姿を確認しながら、電話をかけます。
「乗車券が買えねぇ…」
電話が通じたと思った瞬間、力無い声が聞こえてきます。
「もう間に合わないから、先に行ってて…」
「いやいや、待ってるって」
彼はJRの対応に対して悪態をつきながら、思う様にいかないもどかしさ、なぜアップルヲッチで入ってしまったのか、当惑と怒りを滲ませます。
(まあ、次の電車でゆっくり行くか)
と、EXアプリを開きますがいつもできるはずの予約変更への流れが見当たりません。
(そうか…あの長い改札を越えてしまっていたか…)
ステュクス川をカロンと共に渡ってしまった様な感覚に陥りながら、ここから局長側へは大きな代償(時間と費用)を支払うことになります。
代償を支払いあの悲痛な局長のもとへ向かうか、ハイガジェッターの宿命と切り捨て、そのまま出発時刻残り2分の新幹線に飛び乗るか…
ということで、
局長と生き別れ、現在一人新幹線でゆっくりしています。
お連れするはずの浜松現地集合なんて日が来るなんて、夢にも思いませんでした。