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唐揚人

レジェンドに学ぶ編Vol.7『からあげ太閤』代表・吉田孝史さん

令和3年、日本一の唐揚げ店を決める「からあげグランプリ®」は"第12回"を迎え、いよいよ干支も一回り!毎年現れるニューフェイスが確実に全国区へと躍り出る実績も豊かなアワードは、飲食業界全体の盛り揚げにも"大きな一役"を買っています。そんな、規模と展開の拡大が止まらない「からあげグランプリ®」で "最高金賞"の称号を獲得しながらも、さらなる高みを目指す"レジェンド店"があります。まさに "唐揚人of唐揚人"と呼べる最高の揚げ師に、その生き様を聞きました。

「西日本しょうゆダレ」部門で最高金賞2回!
大分県宇佐市『からあげ太閤』代表・吉田孝史さん



発祥の地発の最高金賞店店主は、二代目の42歳。

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今回ピックアップする"唐揚人of唐揚人"は、『からあげ太閤』代表取締役の吉田孝史(よしだたかし)さん!唐揚げの発祥の地とされる大分県宇佐市で生まれ育った42歳は、父が1988年に興した『太閤』の看板を受け継ぐ2代目揚げ師です。第二回「からあげグランプリ®」で、群雄割拠の「西日本しょうゆダレ部門」初エントリーでいきなりの最高金賞に輝き、以降は「第四回」での2度目の最高金賞を含め、10年連続金賞以上を獲得する大看板として、全国的知名度で見ても一目を置かれる存在に。『太閤』の名は、聖地とされるお隣・中津市の盛り上がりに待ったをかける、貫録の大看板なのです。


頑なな信念を持って、父の看板を継いだ男

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サラリーマンとしての社会人経験を持つ吉田さんは20代の頃、先代(父)の期待を受けて脱サラし、『太閤』入りします。しかし、元来の「孤高」気質も手伝ってか、先代と方向性を巡って正面衝突。一度ドロップアウトし、某大人の暇つぶし施設でのプロ活動で生計を立てることに...ちなみにこの1年間は、以前当記事で紹介した某店主の空白の期間とも重なっており、なにげによく鉢合わせるという、運命的ななにかもあったとかなかったとか。
しかし、「人手が足りない」家業の状況を見かね、先代との和解もあって1年でカムバックを果たした吉田さん。以降は揚げ師として黙々とキャリアを重ね、2014年には完全な後継者となり...と根本的に孝行息子です。ちなみに店名の由来は、豊臣秀吉の太閤秀吉から「天下を取る!」と気合の入ったもので、住所となる宇佐市「閤(ごう)」を掛け合わせてもいるのだとか。


厨房で黙々と、続々と揚げられていく金賞「からあげ」

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『太閤』の営業は、もとより外の窓口で会計と商品の手渡しを行う完全テイクアウトスタイルです。なので店舗内は複数のフライヤーがフル稼働する効率重視の厨房となっており、容赦ない熱気の中、1日1トンにも及ぶ各部位が次々と「からあげ」へと昇華されていきます。


旨味を凝縮した、骨付き&骨なしの逸品揃い。

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太閤のからあげは「バランスの良さ」が特徴。一つ一つの肉を鶏の皮で包み、旨味をギュッと閉じ込め、高温でカラッと揚げた「からあげ」は"リアル元気玉"とも言える力強さを持っており、おススメの「骨付き」は骨の周りの旨さ、お気軽な「骨なし」はジューシーさとプリプリ感が際立ちます。独特の食感がクセになる砂ずり(砂肝)も併せ、おかず、おやつ、おつまみ...どのシーンにも最適な品々が揃います。
また、肉の旨味を際立たせた醤油ダレも印象的ですが、吉田さん自身は「本当に旨いものは何が旨いか分からないもの」と、あえて秘訣の明言をスルーします。いい塩梅を掴み取り、着地させるバランス感覚...これこそが、吉田さんの持つ"最高金賞"の実力と言えるでしょう。


発祥の地から、最高の唐揚げツアーを始めよう。

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数年前、別媒体での取材のときに"孤高"を貫く理由を掘り下げると、「情が移ると、戦いにくくなるから」と本音を吐露してくれた吉田さんには、ストイックなナイスガイという印象しかありません。今回の取材で今後の目標について聞いた際は、「現状維持」と自然体過ぎる返事ではありましたが、これも「最高」の状態を誠実に守っていくという誓いということなのでしょう。この味わい深さも含め、深い揚げ師の手掛ける逸品を堪能するために、ぜひ実際に足を運んでみることをお勧めします。通販もありますけど。できれば、一度は実際に。


最後に一言聞いてみました。
吉田さんにとって唐揚げとは... ‟人生"である


店名:からあげ太閤(たいこう)
住所:大分県宇佐市閤492-3
アクセス: JR柳ヶ浦駅~バス(常徳入り口)~徒歩2分
HP:https://www.karaage-taikou.com/
取材・文章 鼻筆の森(※鼻毛の森)
掲載日:2022年3月18日掲載


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