フランチャイズとは何なのか？〜システム、利点、実態〜

フランチャイズ

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この記事の目的

この記事情報は飲食店（特に唐揚店を応援していますが、他の飲食店経営でも役立つ情報です）をやってみたい方、始めたい方、既に経営や運営をしている方に向けた、ノウハウ提供を目的に書き綴っています。

「飲食店経営は自分には難しいよな」「飲食店経営をやる上でなるべく失敗したくないなぁ」「唐揚店をもっと上手くやるためにはどうすればいい？」など、心配事や疑問に対して、事前に情報をキチンと集められる様記事にしていきます。

これらの情報であなたのお店が盛り揚がることを祈っています。

今日のテーマは、「フランチャイズとは何なのか」

やすひさです。

飲食店を経営者する方から

いつか経営してみたいなーと夢見る方までを対象に、

当たり前のおさらいから、

ためになりそうな新情報まで、

やすひさ的にベストと思える

ノウハウをお届けしています。

実践した際の効果には個人差、というより

個店差がありますことを、

あらかじめ、ご了承ください。

今日のお話は、

フランチャイズとはいったい何なのでしょうか。

ここではフランチャイズのシステム、利点、開業後の実態等に関して解説していきます。

フランチャイズとは何か?

フランチャイズ本部（フランチャイザー）：店舗の立ち上げ方やノウハウ等を個人や法人に提供する

加盟者（フランチャイジー）：本部にロイヤリティ（手数料）や開業資金を支払いつつ開業・経営する

本部は、新オーナーをどんどん増やしたいと考えています。

一方、加盟者は「ロイヤリティを納めてでも、少ない負担でオーナーになりたい」と思っていますから利害が一致するのです。

そして本部は、ビジネスのために欠かせない要素（仕入れ、集客、販売、商品開発、採用等）をパッケージングして加盟者に提供します。

ですから加盟者は自身のノウハウが薄い状態からでも比較的簡単に開業できるのです。

「フランチャイズ」と「直営店」は何が違うのか?

フランチャイズ店（加盟店）：普通の加盟者が経営する店舗の事

直営店（レギュラーチェーン）：本部が直接的に経営する店舗の事

直営店の管理は全て本部が行います。

直営店は「加盟店の手本」という立ち位置でもあり、開業前の研修で使われる事が良くあります。

ロイヤリティとは何か

先ほどもお伝えした通り、ロイヤリティは「ノウハウ等をもらう事に対して支払うお金」です。

大半は「売上の○％」となっていますが、中には「売上に関わらず金額固定」というケースもあります。また、稀に「ロイヤリティなし」という場合もあります。

ちなみにコンビニに関しては、基本的に「売上総利益（トータルの売上高-売上原価）」を基準にロイヤリティが算出されています（珍しい算出方法です）。

業種や、それぞれの本部次第で、ロイヤリティの算出形式や金額は異なりますからきちんと調べましょう。本部同士を比較検討する際に重要なポイントとなります。

開業資金とは何か

また、ロイヤリティだけでなく開業資金も発生しますから忘れないようにしましょう。おおよそ「開業資金＝初期費用」と捉えておけば大丈夫です。

以下の傾向があります。

開業資金が低い：その分ロイヤリティが高い（開業自体はしやすい）

開業資金が高い：その分リスクが高い（成功時のリターンが大きい）

開業資金の内訳は、本部によって様々ですから、「その本部が何にウエイトを置いているのか」を図るための手掛かりにもなります。

フランチャイズの利点とは何か

1：未経験からでも開業しやすい

運営に関するノウハウがパッケージングされていますから未経験でも開業しやすいです。

もちろんオーナーとして成長していく必要はありますが、スーパーバイザー（サポート役の本部社員）が店舗作りや経営に関するアドバイスをしてくれますから心強いと言えます。

2：ブランドパワーに乗る事ができる

自力だけで開業するとなると、まずは宣伝・集客が大きなハードルとなります。例えば「初日は来客ゼロ」となってもおかしくありません。

しかしフランチャイズ開業であれば基本的にブランドパワーに乗る事ができますから、初日から繁盛する事もあり得ます。

3：集客サポートも継続的に受けられる

また、フランチャイズ開業の場合、本部が「チェーン全体の宣伝」をしてくれますから、集客で困る可能性は低いです。そしてテレビコマーシャル、新聞広告等、一人ではできないプロモーション活動も行ってくれます。

一方、自力で開業した場合、最初だけは「物珍しさ」で人が集まっても、広告宣伝費用をかけないと徐々に客が離れていくかもしれません。とはいえ、集客にコストをかけすぎると、経営が成り立たなくなる事でしょう。

4：運営に集中できる

サービスのブラッシュアップや商品開発は本部の役目ですから、加盟店は運営、採用、教育等に集中する事が可能です。

フランチャイズの欠点とは何か

1：ロイヤリティを納める

本部に対してロイヤリティを納め続ける事になります。想定通りの利益が出ない場合でも、払わなければなりません。

（赤字補填システムを設けている本部もあります）

2：外部環境の影響を受けやすい

競合店舗が出てきたり周辺人口が変わったりする事で、売上に影響が出る場合もあります。個人開業であれば、業態や店舗の場所を変える事で対応できるかもしれませんが、フランチャイズ契約をしていると原則としてそのような対処はできません。

3：本部や他の加盟店の影響も受ける

本部や他の加盟店が何らかの不祥事を起こせば、ブランド全体に影響が及ぶ事になります。

4：マニュアルに沿う必要がある

マニュアルがあるため、「何でも自分の思い通りに進めたい人」には向かないとも言えます。例えば「その店舗だけのクーポン」等を提供する事はまずできません。

5：契約終了後、出店制限が発生する

契約終了から数年間、同業での開業がNGとなる場合が大半です。そのため「楽に開業してノウハウを身につけてから、自分の店を出したい」というビジョンがある方は、特に気を付けましょう。

フランチャイズ開業がおすすめの人の特徴とは?

これまで解説した利点・欠点を踏まえると、フランチャイズ開業は以下に該当する方に向いていると言えます。

・マニュアルや理念を守って地道な努力ができる

・本部任せではなく、どうすれば改善できるかを考える事ができる

・本部を信用して、長期間良い関係をキープする事ができる

逆に「全部自分で決めたい」「大きな存在（本部）との良好な関係性を維持するのは苦手」という人にはおすすめしません。

フランチャイズ本部は何をするのか

本部によって補助の範囲やクオリティは異なりますが一例を挙げます。

ノウハウをフル活用したベストな立地選択

開業資金の融資

赤字補填システム

業界の最新情報を教えてくれる

接客指導

販売や経営の指導

研修制度

サービス、商品のブラッシュアップ

スーパーバイザーの定期訪問

いずれにせよ全てのサポートは加盟店の売上を維持・向上させるために行われます。

さて、本部の運営歴が長いほどサポートが洗練されている傾向にあり、安定した補助を受けられる可能性が高いです。

ただ、新興であっても、別事業で積み上げた実績を横展開していたり、業界のベテランスタッフが入っていたりする場合もあるため、一概に「とにかく老舗が良い」とは言えません。

フランチャイズ開業後の実態

フランチャイズ開業を行ったからといって必ず上手くいくわけではありません。成功者も失敗者もいます。

成功のビジョンを持つことが大事

中には数億円単位の年商を達成したり、数十軒以上の店舗を運営したりする人もいます。

ですが、全員がそのような「大成功」を収める必要はありません。

例えば、「大儲けはできなくても安定経営をして家族との時間を増やしたい」等、様々な「成功」があって良いはずです。

フランチャイズ加盟をするのであれば、「どのような状態になりたいのか」のビジョンをきちんと持っておく事が大事と言えるでしょう。

フランチャイズ加盟店は5年後までに3割は消える

フランチャイズ店の5年後の生存率は約7割です。業種にもよりますが、やはり自力で開業する場合に比べると圧倒的に生き残りやすいと言えます。

ただ、それでも3割は消えていますし、「目標売上に届いていないが、ロイヤリティを払い続けている」というケースも少なくないでしょう。

そのためやはり「加盟をするだけで成功する」と思い込まず、適切な努力や工夫をする事が大事です。

そして、

・フランチャイザーのブランドパワーが大きく下がり、集客しにくくなった

・運営資金がほとんどなくなって改善する手段も消え、客がさらに減った

・近所に競合店ができて売上が落ちた

等、失敗には様々な要因があります。

フランチャイズのタイプには何がある?｜探し方のポイント

続いては本部の探し方に関してお話ししていきます。

「どの本部でもいい」という事はもちろんありません。

まずはフランチャイズの業種を決める

フランチャイズの業種は様々ですが、大きく分けるとどれも以下のいずれかに該当します。

・飲食業

・小売業（モノを売る）

・サービス業（形のないものを提供する）

唐揚げ店の場合、もちろん飲食業に分類されます。

そして業種によって、運営の仕方や開業資金は大幅に異なります。

一例として飲食業であれば調理道具等を調達しなければなりませんし、コンビニ（小売業）なら店内設備等が欠かせません。サービス業に関しても従業員を雇うのであれば人件費がかかります。

さらに、開業資金を少なくする方法についても考えてみましょう。

例えば唐揚げ店であれば、テイクアウト専門にすれば店舗面積が狭くも問題はありませんから、費用を下げる事ができます。

さらにサービス業であれば自宅を店舗として使う、コンビニの場合は資金補助制度を活用する等、できる事はたくさんあります。

フランチャイズの業態と特徴は?

主な業態とそれぞれの特徴を挙げていきます。

飲食業

唐揚げ店等の飲食事業には、フランチャイズチェーンが多いです。知名度の高いチェーンに加盟すれば、集客に困る事がなくなるかもしれません。

そしてフランチャイズであれば、食材等の「大量一括仕入れ」ができますからコストを抑える事が可能ですし、最初から「人気のあるメニュー」を扱う事ができます。

また、基本的に飲食業は、「リアルタイムで商品が購入される→収入発生」という流れですからお金の動きが分かりやすいです。

ただ、飲食業は入れ替わりが激しいという事を覚えておきましょう。参入者が多く、新しい店舗もどんどん誕生しますから、きちんとした経営プランがないと失敗します。

もちろん立地も大事ですが、「立地調査」は原則として本部が行ってくれますから、そこまで心配する必要はありません。

サービス業

こちらは基本的に「形のないもの」を売りますから、スタッフのコミュニケーション能力や人柄等も大切です。

「モノ」を仕入れませんから在庫リスクがありません。そのため負債が少ないという利点があります。他の業種と比較して設備費用も低くなりやすいですから、特に「低資金で開業したい」方にはおすすめです。

無店舗型ビジネス

無店舗型ビジネスとは文字通り、店舗を構えず行うビジネスであり、家賃等が発生しません。そのため開業資金を抑えやすいと言えます。具体的には、「移動販売」「出張美容師」「家事代行」「介護代行」等は無店舗で展開されやすいです。

修理サービス、介護代行、家事代行等については、本部による研修がありますから、経験がなくても加盟できます。そしてノウハウを習得して、スキルアップしていく事が可能です。

ただし、自分で集客していくための営業力が欠かせません。

小売業

こちらは「形のあるモノ」を扱う事業です。本部が売上データ等をベースにして、「売れやすい商品」を高効率で仕入れてくれますから、加盟する価値が大いにあります。

ただ、小売業といっても実に色々な種類がありますから、ご自身の希望、地域の特徴・ニーズ等に沿ってチョイスする事が大事です。

コンビニ（小売業）

分類は小売業ですが、「フランチャイズの代表格」でもあるので個別に紹介します。

大半のコンビニが常に加盟者を募集していますし、「パッケージの内容が緻密であり失敗しにくい」という魅力もあります。

また、各コンビニチェーンの認知度が高いですし、子どもから高齢者まで利用するため、集客を安定させやすいとも言えます。

運営に関しては「2人以上の専業」とされている事が多く、親子や夫婦で開業する方も少なくありません。そしてケースバイケースでアルバイト等を雇って経営を行っていく事になります。

ただ、コロナ禍の影響を受けているためコンビニ業界はやや元気がありません。とはいえ、コロナ禍以前は上昇傾向にありましたから、ポテンシャルは十分にあると言えるでしょう。

「どのような働き方をしたい」も明確にする

フランチャイズ開業をする前に、どのような働き方をしたいかについて考えておく事も大事です。例えば以下のような発想・スタイルがあります。

自分だけで開業したい

とにかく自分の店を持ちたい

40代以上でも独立したい

スキマ時間に副業として稼ぎたい

マイペースで働きたい

定年なしで働きたい

サポートや研修の充実度を重視したい

少ない資金でスタートしたい

未経験から開業したい

手に職をつけたい

子どもと関わりたい

お年寄りと関わりたい

地域のためになりたい

客に感謝されたい

自己分析も必要です

ここでするべき自己分析はズバリ以下の2点です。

自分の長所と短所を洗い出す

具体的に何円程度の資金を準備できるか

前者については例えば、「コミュニケーション能力はあるものの、力仕事は苦手」なのであれば「重い物を扱わないサービス業」が向いているかもしれません。

もっと直接的に考えれば、一例として「学生時代飲食店でアルバイトをしていた」場合は、飲食業を選ぶと良いでしょう。

また、しっかりと自己分析をした上で、未経験の業種を選択するのも大いにアリです。

そして、「どれくらのお金を用意できるのか」という現実的な事も考えなければなりません。もちろん融資を受けるという選択肢もありますが、資金プランが甘いと「経営に失敗して、負債だけが残る」事になりかねません。

もしお金を借りるのであれば、「どの程度であれば無理なく完済できるのか」について厳密に考えましょう。

フランチャイズ開業までのステップとは?

続いて開業までの具体的な流れを紹介します。

1：独立・開業について検討する

・フランチャイズそのもののシステムを理解する

→自分にマッチする業種や業態を把握する

→その業種の本部について簡単に調べる

まずは「○○を開業したい。本部としてはこんなものがある」という段階まで進みましょう。

2：複数の本部について調べて比べる

・「自分が重視する事」をハッキリさせる（とにかく稼ぎたい、低資金で開業したい、マイペースで働きたい等）

→希望条件を満たしそうな本部をいくつか絞る

→本部担当者と直接会い、資料やネットだけでは分からない情報や雰囲気を掴む

本部を決めるために色々と動く段階です。

「何を重視するか」を最初に明確にしておかないと、その先に進みにくくなりますから気を付けましょう。

3：加盟する本部を選ぶ

・比較検討を行って加盟する本部を決める

→店舗物件を選ぶ（実際の開業前に店舗物件を決めるケースが多いです）

→正式に契約する（加盟する）

いよいよ加盟する本部を決めます。重要な決断となりますから、家族を含め色々な人と相談してから選択する事を強く推奨します。

また、「立地」は非常に大事ですから、納得できるエリア・物件で開業しましょう。

4：開業準備→開業

・開業への準備をしていく

→開業前研修

→開業

本部からの指示やアドバイスに従い、開業準備を進めていきましょう。

ちなみに「直営店→加盟店」という引き継ぎをするのであれば、このタイミングで行います。

また、開業前に研修を済まるのが基本です（運営オペレーションや接客等）。

そして開業。

最初は口コミが広がりやすく、集客しやすい傾向にあります。

リピーターを増やせるように、はじめから全力で取り組む事が大事です。

フランチャイズ本部を決めるポイントとは何か

加盟する本部を決めるときのポイントを4つ挙げます。

1：方針や理念に共感できるか

本部の方針や理念を理解していないと、開業してから「本部とのすれ違い」を感じ、後悔するかもしれません。ですから店舗や本部に直接足を運び、資料やネットの情報だけでは分からない事も把握してから加盟する事が大事です。

2：本部の信頼性

以下に該当する本部は信頼性が低いです。避けましょう。

・フランチャイズ専門の担当スタッフがいない

・加盟店や直営店の実績等の情報を伏せている

・契約内容が曖昧（もしくは一部を伏せている）

・何らかの不正をした事がある

また、説明会等で気になる事を質問して疑問点を潰しておく事も大事です。

3：サポート体制

「濃密なサポートを行ってくれるか」を見極める事も大切ですが、「自分にとって大事なサポートを受けられるか」の方が重要です。同じ業種でも本部によってサポートの範囲・内容・質が違うので気を付けてください。

4：事業としての成長性

・今ある店舗の実績

・毎年の出店数（成長速度の判断材料）

・撤退率

等もチェックして、事業にどの程度の成長性があるのかを確認しましょう。

フランチャイズオーナーの声

最後に、とあるオーナーのリアルな声を一つ紹介します。

開業した理由：元々はセールスマンでした。ですが自分の扱う製品に関心があるわけではなく、いつか独立したいとずっと思っていました。そして、その頃働いていた勤め先が早期退職者を募集していたので、退職して独立しました。

開業を検討中の方へのメッセージ：会社員である以上、頑張っても昇給しない時代だと思います。独立すると全てが自己責任になるので大変ですが、サラリーマンとして苦しい日々を過ごしているのであれば検討してはいかがでしょうか。

自己分析や本部分析を入念に行ったからこそ成功した

この方が成功した主なポイントは以下の通りです。

・自己分析をして自分にとって適性の高い事業を探した

・ずっと集客力をキープできるチェーンを探した

・理想の働き方ができる本部を探した

もちろん開業後に努力する事も重要ですが、「開業前から勝負は始まっている」とも言えます。

ですから加盟に関して考えるのであれば、ネットでのリサーチ、説明会・展示会等への参加をして、しっかりと情報を集める事が大事です。

フランチャイズとは何か　まとめ

ここまで「フランチャイズとは何か」と題して、フランチャイズの仕組み、メリット・デメリット、開業までの流れ等に関して解説しました。

様々な業種がありますし、同じ業種でもたくさんの本部がありますから、自分に合ったものを見つける事が大事です。