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唐揚人

レジェンドに学ぶ編Vol.6『からあげの鳥しん』代表・角信一さん

令和3年、日本一の唐揚げ店を決める「からあげグランプリ®」は"第12回"を迎え、いよいよ干支も一回り!毎年現れるニューフェイスが確実に全国区へと躍り出る実績も豊かなアワードは、飲食業界全体の盛り揚げにも"大きな一役"を買っています。そんな、規模と展開の拡大が止まらない「からあげグランプリ®」で "最高金賞"の称号を獲得しながらも、さらなる高みを目指す"レジェンド店"があります。まさに "唐揚人of唐揚人"と呼べる最高の揚げ師に、その生き様を聞きました。

「西日本しょうゆダレ」部門で最高金賞5回!
大分県中津市『からあげの鳥しん』代表・角信一さん



●圧巻の実績を持つ店主は、生れも育ちも「聖地」の49歳!

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今回ピックアップする"唐揚人of唐揚人"は、『からあげの鳥しん』代表の角信一(すみしんいち)さん!生まれも育ちも"唐揚げの聖地"大分県中津市の49歳(※2021年2月時点)です。
『鳥しん』は、「第一回からあげグランプリ®」で「西日本しょうゆダレ部門」の"初代最高金賞"に輝いた唐揚げ専門店で、以降も同部門一筋で11年連続金賞以上(うち最高金賞は5回)獲得という偉業を重ねています。そして、店主の角さん自身も、日本を代表する揚げ師の一人として、近年は全国メディアでも度々その顔を見かけるようになっているという状況です。


●唐揚げ界のレジェンドの自分史は、よりレジェンドだった。


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今や "唐揚げ界のスーパーエリート"にしか見えない角さんですが、聞けば紆余曲折の半生が。
まず、高校卒業後に電子部品関係の会社に就職し、工場設備のメンテナンス業務に携わるも、10年でリストラに。それから約2年半をパチプロとして過ごした後、長男の誕生を機に一念発起し、閉店する地元の唐揚げ店(FC)の売却話に乗る形で"揚げ師"デビューを。しかし、鳴かず飛ばずのまま4年で閉店となり、「家族のためにはもう就職しかない」と、知人のツテで大手企業の最終試験に挑んだもののまさかの不合格で再度転落...ここまでを見たら、ただただ踏んだり蹴ったりさんです。
しかし、そんな角さんには、買い手がつかない、閉めたままの店舗が残っていました。そして、「FCとして提供を受けたものではなく、自分のレシピでもう一度勝負がしたい」と覚悟を決めて家族に懇願したことで、ようやく『鳥しん』のオープンへと至るのです。(角さんが)34歳の時でした。
「同じ唐揚げでも、自分が一から作ったタレ、仕入れた肉で作るので、愛情を持って堂々とおススメできるようになりまして。」と再出発当時を振り返る角さん。そこから急激にファンが増え、その2年後には「からあげグランプリ®」最高金賞獲得へと大躍進...執念の大逆転劇となるのです。



●覚悟の再出発で、肉もタレもクオリティが爆上がりに!


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『鳥しん』の「金賞唐揚げ」には、創業以来、九州・宮崎県産の若鶏を使用しています。徹底した衛生&品質管理の下で生産から流通までを担える、日本最大級の一貫型の畜産体制を構築してきた老舗鶏肉メーカー・『児湯食鳥』から調達することで、味・品質・栄養価の全てが"マスト"に到達したのだそう。納得の領域に至ったオリジナル醤油ダレと"鮮度"抜群の鶏肉との出会いは、両者(社)のタッグと同様に、運命的なものだったのです。


●最強の揚げ師が辿り着いたのは、無敵の "薄衣"。



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薄めの衣で、サクッと揚げた『鳥しん』「からあげ」は、パサつかず、ベタつかず、しっとりとした食感で冷めても美味しく食べられるのが特徴!ちなみに、ニンニクベースで生姜、一味を重ねる味付けが中津流です。様々な部位を扱う中、一番の人気商品は「もも・むねミックス」だそうですが、角さん個人は、「仕込み段階から骨の中から旨味エキスが出る"ぶつ切り"を一度は食べてほしいですね!」と"通好み"の一品を推します。



●自分の味を大切に、堅実な展開で全国に。


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金賞以上11回、うち最高金賞5回、メディア出演も多数と有り余る実績を誇る『鳥しん』ですが、実店舗は角さんが自ら指揮を執る中津の一店舗のみ。一時期はFCで数店舗を構えたこともあったそうですが、「目が行き届かず、結果として品質が保てず」との理由で解消しており、現在は暖簾分けもせず、目の届く"取扱店"での提供に留めているとのこと。その分、通販事業を確立したり、各地のイベントや催事に出向いたりと、自ら手掛けた味を確実に全国へ届けています。


●『鳥しん』伝説はラストスパートへ...でも、永遠に続きそう。


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もうすぐ50歳の大台を迎える角さんは、「子供たちが巣立った後、いつか"店を継ぎたい"と言ってくれた時にいいバトンを渡せるようにはしておきたいですね」と、理想の10年後を思い描きながら、日々、ひとつひとつの仕事に真摯に取り組みます。
ちなみに19歳の長男はすでに立派な社会人ですが、その勤め先はなんと、角さんが面接で不合格となった大手(以下略)。「何かの縁ですよね!」と笑う角さんは現在、「17歳の次男と共通の趣味を持ちたくて」とのきっかけで知った大型バイクにドはまりしているそうで・・・こちらはくれぐれも紆余曲折のない、安全運転を願うばかりです。

最後に一言聞いてみました。
角さんにとって唐揚げとは... ‟切っても切れない縁"である


店名:からあげの鳥しん
住所:大分県中津市宮夫218-1
アクセス: 中津駅より、車で約7分.
HP:https://nakatsu-karaage.com/
取材・文章 鼻筆の森(※鼻毛の森)
掲載日:2021年2月5日掲載



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