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唐揚人

レジェンドに学ぶ編Vol.2『揚匠しげ盛』店主・緒方貴十志さん!

令和2年、日本"一"の唐揚げ店を決める「からあげグランプリ®」は"第11回"の大節目を迎えました。毎年現れるニューフェイスが確実に全国区へと躍り出る実績も豊かなアワードは、飲食業界全体の盛り揚げにも"大きな一役"を買っています。そんな、規模と展開の拡大が止まらない「からあげグランプリ®」で "最高金賞"の称号を獲得しながらも、さらなる高みを目指す"レジェンド店"があります。まさに "唐揚人of唐揚人"と呼べる最高の揚げ師に、その生き様を聞きました。

「中日本味バラエティ」部門で最高金賞6回、金賞2回!
兵庫県『揚匠しげ盛』店主・緒方貴十志さん!



6年連続最高金賞の記録を持つ、唐揚げ界の"バラエティ"王!

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今回ピックアップする"唐揚人of唐揚人"は『揚匠しげ盛』店主の緒方貴十志(たかとし)さん、兵庫県明石市出身で、1975年7月生まれの45歳(※2020年9月時点)です。2011年(10月)、36歳時に自らのお店『しげ盛』をオープンさせていますが、それまでは実父の経営する鉄筋工事業に従事しており、飲食業とは無縁の人生だったのだそう。


"テレビで見た"中津唐揚げがきっかけで人生を大転換!

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緒方さんには「●●で●年間修業しました!」的な、定番の経歴はありません。飲食業転身のきっかけは、中学卒業直後から従事した実家の稼業(建設業)の"倒産"でした。そこに重なった実父の心筋梗塞と脳梗塞・・・絵に描いたような負の連鎖に、建設業事態への先行きの不安を覚えた緒方さんは、たまたまテレビで見た「中津唐揚げ特集」に運命を感じ、独学で唐揚げづくりを始め、唐揚げ専門での開業の道を模索し始めます。建設業で収入を確保しつつ、夜と休日はタレ作りと物件探し、鶏肉の仕入れ先の直接交渉と、はじめて尽くしの準備期間(1年)を自力で乗り越え、『しげ盛』開業に至ったのだそうです。しかし...思い立ってからの展開が早い(笑)



"他にはない" 「かた柚子胡椒マヨネーズ味」で大躍進!

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『しげ盛』を「からあげグランプリ®」のバラエティ部門"最高金賞"の常連に押し上げた "作品"は、鶏肉の中でも圧倒的希少性(1羽から2切れのみ...)を誇る部位「かた肉(むねトロ)」使用の「柚子胡椒マヨネーズ味」の唐揚げです。創業前は門前払いが続いた取引先探し...そんな中でようやく出会えた1件の"超良心的"な鶏肉卸会社との信頼関係から、この上質部位の手配が実現し、『しげ盛』に"最高金賞"をもたらすのだから、人生って香ばしくて刺激的です...それはもう、柚子胡椒ばりに(どや顔)

分野は違えど技術畑。調理の"組み立て"も職人クラス!

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念を押すと、『しげ盛』の強みは受賞作を生み出したバイタリティだけではありません。国産若鶏(兵庫、宮崎、鹿児島がメイン)のみを手切りし、自家製秘伝タレにしっかり漬け込み、北海道南十勝産の片栗粉をまぶして薄衣をつくり、継ぎ足しの大豆白絞油で揚げる...冷めてもおいしいと評判の「唐揚げ」は、どの部位のソレも絶品です。実際、一番人気は王道「もも醤油味」で、下地となる調理技術があるからこそ、希少部位(かた肉、ハラミ、松葉、骨付きむね肉)と+αの味付けのふり幅が活きるのでしょう。そう、よくよく考えたら、緒方さんはもともと建築士なので"組み立て"はプロでした。


チャレンジは、家族の信頼があってこそ。

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実は突然の飲食業転身、しかも「自分の店で...」という緒方さんの大胆な夢を後押ししたのは、中学時代から交際を重ね、18歳の若さで結婚を決めた奥さん(写真は2人とも中学生の頃)なのだそう。緒方さんは20代半ばにして3姉妹の父親となっており、36歳の時はまさに子育て真っ最中でしたが、突如提案した"唐揚げ店プラン"にも「やりたい事はやった方がいい。後悔しないように!」と迷いなく言ってくれたのだとか。なに?その男(漢)前エピソード。


店舗は一軒のまま、活躍の場は全国に。

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ソースやパウダーに頼らない、"中から染み出す"旨味にこだわったオリジナル唐揚げは、「からあげグランプリ®」最高金賞の称号と口コミ、営業努力で確実に認知度を高め、今や全国各地の週末イベント・催事で行列を作るほどに。創業当時からの常連客による推薦でエントリーされ、早々の金賞、最高金賞に繋がり、「ここで満足せず、さらに上の景色を見たい」との思いを重ねたことで、その先の6年連続最高金賞受賞という"史上初"の快挙に繋がりました。大手コンビニやお菓子メーカー、大手食品企業等からも監修依頼が舞い込む現状は、緒方さんが愚直に続ける"攻め"な姿勢が生み出した必然と言えるでしょう。


"繁盛"の願いを込めた店の名で、次のステージへ!

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無双の突破力を持つ...かのようにも見える緒方さんですが、「毎年グランプリの時期は胃が痛くなりますよ。」との受賞常連店ならではの悩ましい本音も。プライベートでは既に3人の孫を持つ"おじいちゃん"ですが、非対面販売主体の新しい生活様式に対応するべく、「レンジでチンする鶏唐揚げ&鶏めしおにぎり」といった新商品開発や「唐揚げギフト」通販に取り組むなど、次々に挑戦を続けています。SNSを駆使し、新しい唐揚の受信・発信にも精力的な45歳...まだまだ若く、伸び盛りです。繰り返しますが、奥さんもかっこいいです(嫉妬)


最後に一言聞いてみました。
緒方さんにとって唐揚げとは...‟始まり"である


店名:揚匠しげ盛(アゲショウ シゲモリ)
住所:兵庫県神戸市須磨区須磨浦通4-6-15
アクセス:JR須磨駅、山陽電車須磨駅から徒歩2分。国道2号線沿い。
HP:http://www.karaage-shigemori.com/
取材・文章 鼻筆の森(※鼻毛の森)
掲載日:2020年9月16日掲載



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