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唐揚人

レジェンドに学ぶ編Vol.1『からあげ!ごっち』店主・甲斐淳一さん

令和2年、日本"一"の唐揚げ店を決める「からあげグランプリ®」は"第11回"の大節目を迎えました。毎年現れるニューフェイスが確実に全国区へと躍り出る実績も豊かなアワードは、飲食業界全体の盛り揚げにも"大きな一役"を買っています。そんな、規模と展開の拡大が止まらない「からあげグランプリ®」で "最高金賞"の称号を獲得しながらも、さらなる高みを目指す"レジェンド店"があります。まさに "唐揚人of唐揚人"と呼べる最高の揚げ師に、その生き様を聞きました。


「塩ダレ」部門で最高金賞1回、金賞6回!
愛知県東海市『からあげ!ごっち』店主・甲斐淳一さん!



多彩の経歴を持つ、脱サラ"揚げ師"

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今回ピックアップする"唐揚人of唐揚人"は『からあげ!ごっち』店主の甲斐淳一さん、大分県出身で愛知県在住、1975年9月生まれの44歳(※2020年8月時点)です。『ごっち』の創業は2013年(1月)からですが、社会人としてのキャリア全体を遡ると、航空専門学校卒業後に航空機関連(要するにフライ)の仕事に従事し、営業職、サービス業、飲食業を経由しており、なかなかに味わい深い人生経験を積んでいます。


ヒニクなニックネームから店名が...肉だけに。

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紆余曲折の人生を歩む中、「唐揚げが好き!」というシンプルすぎる想いで着陸した甲斐さんの"揚げ師"ライフ。その舞台となる『からあげ!ごっち』は、手羽先(唐揚げ)文化で知られる愛知県名古屋市...に隣接する東海市の「太田川駅」から徒歩20分と、自動車以外でのアクセスについては"抜群とも言い切れない"ベッドタウンに佇んでいます。『ごっち』のネーミングは、「ゴリラ」のニックネーム(悪口?)を持つ甲斐さんが、大好物のチキン(唐揚げ)をふるまうイメージから生まれた"ゴリラ+チキン=ゴリラチキン"の造語を略し、さらに柔らかい平仮名表記としたことで生まれたのだそうです。


難易度の高いむね肉で戦う男...略してムネオ(違)

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そんな『ごっち』が"胸を張る"代表作は、2017年の「第8回からあげグランプリ®」の「塩ダレ部門」で最高金賞を受賞した鶏"むね"肉の「塩からあげ」です。歯ごたえが強く、唐揚げには不向きとされる部位をあえて採用しながらも、持ち前の"慎重すぎる"性格で素材や調理工程を突き詰めることで、"概念が変わる"逸品にまで昇華させたのだそう。※お店には「もも」の選択肢もあります


丁寧な手仕事と、良質な素材。シンプルだから深い

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さて、『ごっち』名物「塩からあげ(むね)」爆誕の瞬間がこちら!一枚一枚手仕込みでの下処理を丁寧に施し、真空状態での保存で短時間での均等な味つけを実現した愛知県産『奥三河どり(おくみかわどり)』の新鮮なムネ肉は、4種類の衣による手厚いコーティングで、二度揚げしても水分がしっかり保持され、ヘルシーでジューシーな"理想的すぎる"唐揚げになるのだそう。


ベースにあるのは"胆力"

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有名実業家の言葉から、「平凡なことを完璧にやり続けることで胆力がつく」を座右の銘とする甲斐さんはとにかくストイックな"揚げ師of揚げ師"。ただ、自身のことは「もともと度胸がない」と謙虚に評しており、「だからこそトリッキーな挑戦はせず、日々の当たり前の積み重ねを地道に重ね続けてきた」のだとか。そして、理想の「胆力」をカタチとして実感するために、筋力トレーニングも欠かさないと笑う甲斐さん。「ゴリラ」と呼ばれる根拠のひとつ、厚い胸板(むしろむね肉)もまた、『ごっち』の生み出した金賞作品なのかもしれません。


凱旋で実現した地元への貢献

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オープン翌年(2014年)の「第5回からあげグランプリ®」から7年連続の"金賞以上"を獲得している『からあげ!ごっち』は、今や全国のイベントに引っ張りだこ!甲斐さん曰く「グランプリを通じて全国の名店との交流も増え、刺激的な日々を送っています」とのこと。さらに近年は、クセになる美味への評価も浸透したことで、大手とのコラボ商品なども、続々リリースされています。景気の良い話が続いているように見えますが、「知名度が全国区になることで、ようやく地域密着の活動も増やせたと思っています」と、浮足立たない甲斐さん。「より多くのニーズに応えるべく、設備投資も検討しないといけない」と気を引き締める"胆力の男"がそこにいました。


2度目の最高金賞に向け、謙虚に淡々と

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最高金賞という"高み"を知る甲斐さん、ですがウハウハ・・・もといウホウホ(ゴリラだけに)気分に浸ることはありません。「全国には多くの受賞店あって、それぞれのお店に様々な味があり、さらに素材や部位ごとの特徴もあるので、まだまだ唐揚げ店巡りをしたい」と2度目の最高金賞を睨んだ"勉強"に余念がありません。そして、「ついでに推しの唐揚げ店を見つけたい」と、ファンとしての純粋な初心も忘れることはない様子で、もはや隙などないのです。「年々、ノミネートする店舗も増えてきていて、受賞する事も容易ではなくなってきている」と実感する「からあげグランプリ®」に全力で挑むべく、「より地域に根付き、密着のファンを増やしていく」との宣言もしてくれました。このように、どこまでも「胆力」を磨き続ける甲斐さん、来年の胸板は更に分厚くなっているかもしれませんので、そちらもお楽しみに(違)


最後に一言聞いてみました。

甲斐さんにとって唐揚げとは...‟胆力の源"である


店名:からあげ!ごっち

住所:愛知県東海市富貴ノ台6-246パークサイドビル1F

アクセス:名鉄太田川駅より徒歩20分

HP:https://karaage-gocchi.com/

取材・文章 鼻筆の森(※鼻毛の森)

掲載日:2020年9月4日掲載



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