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レジェンドに学ぶ編Vol.9『からあげ家奥州いわい秋葉原本店』店主・小山達也さん

令和3年、日本一の唐揚げ店を決める「からあげグランプリ®」は"第12回"を数え、干支も一回り!毎年現れるニューフェイスが確実に全国区へと躍り出る実績も豊かなアワードは、飲食業界全体の盛り揚げにも"大きな一役"を買っています。そんな、規模と展開の拡大が止まらない「からあげグランプリ®」で "最高金賞"の称号を獲得しながらも、さらなる高みを目指す"レジェンド店"があります。まさに "唐揚人of唐揚人"と呼べる最高の揚げ師に、その生き様を聞きました。


「東日本しょうゆダレ」部門で最高金賞2回!
東京都台東区『からあげ家奥州いわい秋葉原本店』
店主・小山達也(おやまたつや)さん



マルチな文化の発信地発の最高金賞揚げ師は、東北出身の45歳!

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今回ピックアップする"唐揚人of唐揚人"は、『からあげ家奥州いわい』店主の小山達也(おやまたつや)さん!岩手県(一関市)を拠点に養鶏場・唐揚げ専門店を営む『株式会社オヤマ』の三代目として生まれ、幼いころから鶏とふれあい、戦い、屠殺し、解体し、料理まで経験してきたという、生粋の"唐揚げ界のサラブレッド"なのです。
※この肩書だと鶏の話なのか、馬の話なのかややこしいですね(反省)。


震災を経て、東北の元気を取り戻すために上京!

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小山さんが生まれる6年前(1969年)に創業した『株式会社オヤマ』は、「安全、安心、健康」をキーワードに、地産銘柄鶏「奥州いわいどり」を生産するだけでなく、岩手・宮城での『からあげ家』の店舗展開を通じて、その魅力を"堅調に"届けてきました。しかし、2011年の「東日本大震災」で甚大な被害を受け、社員も鶏舎も失う経験をしたことで、「まずは社員の笑顔を取り戻す起爆剤が必要になった」という小山さんは、その空気を変えるべく、初の東京進出へと乗り出します。「秋葉原」を拠点としたのは、自身も縁のなかった都会の中で辛うじて駅名は知っていて、東北新幹線とのアクセスも良好...という、シンプルな理由からなのだそう。店名は、地元で愛される屋号『からあげ家』と銘柄鶏「奥州いわいどり」の名を合わせた『からあげ家奥州いわい』に決まり、震災から約1年半後の2012年12月にオープン、そして今の躍進へと繋がるのです。


その素材は、鶏のプロ集団がいちから育てた銘柄鶏!

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「奥州いわいどり」の名の由来は、一関市の旧称「磐井郡」から。自然の恵みとこだわりのえさ、衛生管理と温度湿度と換気を徹底した鶏舎、24時間の観察体制で"ストレスフリー"に育てられた銘柄鶏には、コクの深さ、旨みの強さ、適度に柔らかくジューシーな食感が共存しています。そんなどこまでも上質な鶏肉を、養鶏会社直送という強みでリーズナブルにいただけるのだから、『からあげ家奥州いわい』の「からあげ」には"旨味"しかないのです。


半世紀越えのレシピが旨深い「室根からあげ」!

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『からあげ家奥州いわい』が誇る"グランプリ受賞作"は、上質な「いわいどり」に、祖父母の代から55年近く伝承してきた秘伝のタレを重ね、カリっと揚げた「室根からあげ」です。食べやすい30gサイズ大にカットした鶏肉を、国産生姜と玉ねぎのすりおろしを加えた本醸造濃口醤油ベースのタレに漬け込み、真空マッサージで中まで均一に沁み込ませ、小さなダマを作った馬鈴薯澱粉を薄くはたいて高温のキャノーラ油で揚げ、完成に至ります。生姜のさわやかな香り、玉ねぎの優しい甘味が肉の旨味を引き立てるサクサク&ジューシーな逸品は、一度口にすれば、その絶妙な黄金比バランスに魅了されること請け合いです。


覚悟の進出から4年、最高の躍進が。

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「からあげグランプリ®」の初参戦は2016年。小山さんがグランプリを強く意識し始めたのは、秋葉原で4年をかけ、確実に認知度を上げてきたタイミングで、「全国での位置づけを確認したいと思うようになって・・・」と腕試し的なスタンスでしたが、2016年(第7回)の「東日本しょうゆダレ部門」で早速「金賞」という結果を叩き出し、2017年(第8回)と2018年(第9回)には、同部門で二年連続「最高金賞」の栄誉を勝ち取ります。突然の連続受賞店登場は、全国のカラアゲニスト(ファン)達に強烈なインパクトを植え付け、イベント出店での大盛況にも繋がっていくのですが、その指標となったグランプリの圧倒的票数について、「地元岩手県民の支持層による影響もあるのかも。」と、小山さんは分析すします。だとすると、社員を元気にするための東京進出は、東北・岩手との絆を深め、日本一の称号を一緒に勝ち取る・・・最高過ぎるドラマを生み出したということになります。うう、、、いい話すぎるやんけ。


日本一の唐揚げ店として、故郷に錦を。

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金賞初受賞後には「からあげフェスティバル」の参加資格を得た『からあげ家奥州いわい』。なんと、2018年の「からあげフェスティバルin千葉No.1決定戦」では、全国の金賞以上の名店20店舗と直接対決をし、見事優勝を果たします。その結果が全国ネットの朝番組で紹介され、さらに取材依頼が殺到し、瞬く間に全国区へ。「一関市長からも地域への貢献、地場産業の活性化に寄与した貢献を称えられ、JR駅構内に看板が貼られるまでとなりました!」と、小山さんは当時の"からあげドリーム"の凄まじさを回想してくれました。


これからも、開拓者であり続けるために。

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さらに、2019年(第10回)、2020年(第11回)、2021年(第12回)も「東日本しょうゆダレ部門」一筋でエントリーを続け、6年続けての"金賞以上"を記録しており、貫録の名店に昇華した『からあげ家奥州いわい』ですが、コロナ禍への対応も素早く、2020年4月には冷凍食品の唐揚げをインターネットで販売する通販サイト「奥州いわいネット」をオープンさせています。この、新しい生活様式への柔軟な対応には、震災を経験しながらも力強く別ステージを開拓した小山さんらの経験値が活きているのでしょう。目下の目標は「アフターコロナに負けない唐揚げ店」とのこと。小山さんの熱い視線の先には、未来の『奥州いわい』ファンの笑顔がくっきりと見えているのかもしれません


最後に一言聞いてみました。
小山さんにとって唐揚げとは... ‟人生そのもの"である


店名:からあげ家奥州いわい秋葉原本店
住所:東京都台東区浅草橋4-16-5 染谷ビル1F
アクセス:JR秋葉原駅昭和通り改札から徒歩約6分
HP:https://iwai181.net/
取材・文章 鼻筆の森(※鼻毛の森)
掲載日:2021年6月16日掲載

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